5ヶ月ほったらかしたら書き方忘れちゃったよ。カモズコツですご無沙汰してます。
ほんと派手にサボりましたよね。気が付いたら年が明けちゃって、何なら元号まで変わっちゃってね。この調子でいくと、次の記事はまた元号が変わる頃になると思います。思いますなよ改めろよ腐った性根を。
はい。ええではそういう感じでですね、再開しました。またよろしくしてください。
ええ、ええ、そうですね、再開といえば、『ワールドトリガー』再開しましたね。おめでとうございます。
今更感つよいけど。再開からもう半年くらい経ってるけど。昨日の事の様に書くよ俺は。おめでとうございます!
いや違うのよ。時間の感覚がおかしくなっちゃってんの。若い頃と比べると1日とか1年とかが早くて早くて。半年程度の時間なんか、まばたき3回くらいで過ぎてく気持ち。これをSF用語でウラシマ効果と言います。言いません。
そんなわけで今回は『ワールドトリガー』の話です。
割といつもそうだけど、今回もネタバレ大量になりそう(単行本19巻まで)。未読の方はお気をつけて。
素直な心で受け入れて。ワートリは部活漫画です。
『ワールドトリガー』って珍しいんですよ。突然ですけど。珍しい漫画だと思う。
あの週刊少年ジャンプにおいて、数少ない「当たったSF漫画」の1つっていうね。ジャンプって大体ファンタジーだもの。
いや、ジャンプにもSF要素を取り入れた漫画は、たくさんあるんですよ。『ドラゴンボール』とか『暗殺教室』とか。『封神演義』とかね。
でもここまでSF要素を前面に押し出してる作品って、他にありましょうかね。『コブラ』しか思い浮かばないな俺は。
「だから」というか「でもね」というか。
『ワールドトリガー』は純度100%のSF漫画では、ないんです。実に巧妙に、週刊少年ジャンプチューニングがされている。
タイトルにもしちゃったし、さくっと書いてきますけど、『ワールドトリガー』は部活漫画の手法をうまく取り込んでます。SF漫画だけど、部活漫画の顔も持ってる。
この漫画の感想で結構聞かれる「ランク戦長すぎ」的なやつ、それに対する1つの答えが、これじゃないかな。
これ部活漫画だから、ある意味ランク戦がメインなんだよ。『SLAM DUNK』読んでて「神奈川予選長すぎ。早く全国やれ」って言ってるようなもん、っていうか。
※今さらーっと数えた感じ、全19巻中ランク戦やってるのが大体7冊分くらい。30%ちょっとってトコ。そんなに多くなかったね。
はい。というわけでね。とりあえずここまで読んで、「あーなるほど」と思ってくれた方は本当に素直で純粋な心を持った人です。マジ天使。あと1時間以内にきっと良い事が起きます。嫌いな先輩の鼻が詰まります。おめでとう。
「そんなわかりきった事を得意気に書かれても反応に困るw」みたいな事を思った奴は、多分お前みんなから嫌われてると思う。見つめ直せ己を。
耳が痛い。
ね。みんないい人という前提で進めますけど
ワートリ=部活漫画の式。これは、ボーダーを学校(または部活そのもの)として捉えると色々しっくりくるんじゃないかね。
ボーダーに於けるランク戦ってアレ、めちゃくちゃ「競技」っぽいでしょ。「格闘技」ともちょっと違う気がするし(どちゃすか戦ってるけど)。
や、何が違うって、やっぱりチーム戦なんだもの。複数人同士の、共通のルール上での戦いじゃん。これってやっぱり我々にとっては、部活的な競技として見るのが一番なじむんだと思う。
でもクソ真面目な人はさ、「学校・部活とは違う点」っていうのが気になるとは思うんだ。ただもうそりゃ仕方ない、と言うか、逆にねそこが面白いトコでもあるんじゃないですかと私は言いたい。
この漫画、SFとしての設定がとてもよく練られてて、ボーダーってその設定の根幹みたいなトコある。要するに、SF漫画としての軸。
でもその装置が、実は部活漫画としての裏の顔まで支えてるとしたら。
SFと部活、虚構と現実、非日常と日常。この相反する属性を、両立させながら同居させてる力技ね。例えば(タイトルロゴがそっくりな)エヴァンゲリオンは、ネルフと学校という2つの装置を使って、両者をちゃんと分けて描いてる。
どっちのやり方が凄い、正しい、という話では全然ないんだけど、『ワールドトリガー』って結構面白い事やってんじゃねーの。という話よ。
どの辺が部活漫画なのかという事。それは自分で考えて。
さてさて。『ワールドトリガー』は部活漫画という事で満場の一致を得たわけですが。あ、こういうのをSF用語でコンセンサスといいますよ。ためになるなあ。
はい。得たわけですが!
とは言え表の顔はSF漫画ですから。普通の部活漫画とはだいぶ違うところが多い。
ここからは、『ワールドトリガー』と「よくある部活漫画」の共通点と相違点を探る為、とりあえず部活漫画のテンプレを考えてみようじゃないか。やったぜ、タイトル通りの展開だな。
■テンプレ部活漫画の流れ
1.主人公とチームの紹介。ライバル(同じチーム)とかキャプテンとかヒロインとか出てくる
2.唐突に試合。他校(強豪)との練習試合だったり紅白戦だったり。
3.主人公の弱点、欠点が露呈。特訓フェーズ。必殺技を習得したりする。この辺でチームメイトが出揃う。問題児で停学してた先輩とか。
4.地区予選開始。敵ライバルが次々登場。漫画の人気が安定してると、敵同士の試合なんかもやる。大抵ファンの間で「名勝負」とか言われる。ここでかなり尺を取る。
5.インターバル。戦ったライバルと焼肉を食いに行ったりする。キャラ愛の強い一部のファンを狂喜させる重要なフェーズ。
6.全国大会。更にキャラが増える。地区予選で戦った奴が解説キャラで再登場しがち。
番外.オールスター編。世界大会的なやつ。敵ライバルと同じチームになって戦う。チームに選ばれるのは実力よりも人気重視。だが大体キャラを扱い切れなくなって失敗する。諸刃の剣。
と、大体こんな感じ。
なんか、アレね。テンプレっていうか「部活漫画あるある」みたいになったね。ドンマイ。
部活漫画だからと言って、これらの全てが当てはまる事はほとんどないけど、全てに当てはまらない部活漫画も、そうそうないと思う。大体大きな流れは似たような感じになるはず。
で、みなさんお気付きだとは思いますが、『ワールドトリガー』は全然この流れを汲んでいない。いないのです。
ざっくりと違いを挙げていこうね。
★『ワールドトリガー』との違い
・最序盤はSF漫画として展開。修たちの玉狛支部入隊くらいまでごく普通のSF漫画。
・遊真の黒トリガー奪取戦を使って、「競技」のチュートリアル。
・部活開始(遊真と千佳の入隊試験)。
ここまでで単行本4冊使ってる。なのだけども、上の「テンプレ部活漫画の流れ」で言うと、まだ1番のトコ。まーこれは仕方ないよね。本命はSF漫画だから。色々説明も必要だし、導入が長くなるのはご愛嬌。
とは言え、この時点で修も遊真も戦闘シーンをお披露目してるから、次の練習試合フェーズをかなりカットできちゃってる。一応、風間戦、緑川戦が練習試合といえるかもしれないけど。まあその程度。
あと、大きな流れには関係ないけど、既にこの時点で登場キャラクターが滅茶苦茶多い。本当に。異常なレベルで。これもちょっと特殊なところとして捉えておくと面白いかも。
で、6巻冒頭から唐突に全国大会編がスタート。みんな大好き大規模侵攻編ですけど。おかしい、いきなり全国大会始まっちゃう。おかしい。
んーまーこれ、全国大会と言うか、オールスター編って言った方がいいか。味方キャラの半分くらい初登場のオールスター。いやオールスターって一体なにかね。ふしぎ。すこしふしぎ。
はい。ね、もうこの時点で、部活漫画のテンプレを大きく逸脱してるでしょ。部活漫画始まった矢先に即脱線だもの。どうなっているのかね。
で、6巻~10巻途中まで、単行本約5冊を費やしたオールスター編(大規模侵攻)がようやく終わると、満を持して始まる地区予選(ランク戦)。
逆!だよね!順番が!!
いや作劇上の都合が大きいのはわかる。大規模侵攻時に、千佳がC級じゃないと成立しない、とかね。
ただ、もしその辺うまくやって、ランク戦→大規模侵攻って流れだったとしたら。
それじゃあまりにも部活漫画すぎるでしょうよ。テンプレすぎる。
だから、敢えて避けた。って可能性もなくもない気がするんだけど。どうでしょうか。
それと、結構繰り返しになるけど、あくまで『ワールドトリガー』はSF漫画だからね。
はい。ざっとこんな感じでですね。順番の入れ替えは激しいけども、お話の1つ1つはかなり部活漫画的、という事がわかってもらえたと思う。
テンプレを避けつつ、ストーリーを構成する中編的な要素は部活漫画のそれをなぞる。そして、大勢のキャラを無理なく登場させ続ける仕組みも取り込んでる。
なんだろうね。部活漫画の良いトコ取りをした感じじゃないかねこれは。ズルいよなあ。ズルSFじゃないか。『ワールドトリガー』はただのSF漫画ではなく、ズルSFだったという事ですね。
しまった。画像とかはさむところが全然ない。仕方ないね久しぶりだもの
あー。
「ワートリ登場人物多すぎ問題」も書きたかったんだけど、もう文字数がつらい。また忘れなければいつか書こう。
久しぶりなんで、大分内容がとっ散らかってる気がするけど、俺は気にしないね!だからみんなも気にしちゃ駄目だぜ。
さくっとまとめると
『ワールドトリガー』はSFの皮をかぶった部活漫画。部活漫画のテンプレを巧妙に取り入れててズルい(上手い)。こういうのをミステリ界隈では叙述トリックって言います。言いたいだけです。すっきり。
はい以上です。ありがとうございました。
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